語彙と文法
「ウェーナ・タンゲンダ・エスト」と読みます。
vēnaは第1変化名詞vēna,-ae f.(血管)の単数・主格です。文の主語です。
tangendaはtangō,-ere(触れる)の動形容詞、女性・単数・主格です。「触れられるべき」という意味を表します。
estは不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数です。動形容詞tangendaとともに、動形容詞の人称表現を作ります。
直訳は、「血管は (vena) 触れなければならない (tangenda est)。」です。
「脈はじっさい手でさわらないといけない」という意味になります。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Ep.22.1)。
文脈
「そこに居合わせる人でなければ教えられないこともある。医者も手紙では食事や入浴のためによい頃合いを決めることはできない。脈をとらねばならないからだ。」(高橋宏幸訳)
類似表現
Acta, nōn verba. 言葉でなく行動。
セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
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