Vena tangenda est.

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語彙と文法

「ウェーナ・タンゲンダ・エスト」と読みます。
vēnaは第1変化名詞vēna,-ae f.(血管)の単数・主格です。文の主語です。
tangendaはtangō,-ere(触れる)の動形容詞、女性・単数・主格です。「触れられるべき」という意味を表します。
estは不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数です。動形容詞tangendaとともに、動形容詞の人称表現を作ります。
直訳は、「血管は (vena) 触れなければならない (tangenda est)。」です。
「脈はじっさい手でさわらないといけない」という意味になります。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Ep.22.1)。

文脈

「そこに居合わせる人でなければ教えられないこともある。医者も手紙では食事や入浴のためによい頃合いを決めることはできない。脈をとらねばならないからだ。」(高橋宏幸訳)

類似表現

Acta, nōn verba. 言葉でなく行動。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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