Otia dant vitia.

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「オーティア・ダント・ウィティア」と読みます。
ōtia は「閑暇」を意味する第2変化名詞 ōtium,-ī n. の複数・主格です。文の主語です。
dant は「与える」を意味する不規則動詞 dō,dare の直接法・能動態・現在、3人称複数です。
vitia は「悪徳」を意味する第2変化名詞 vitium,-ī n. の複数・対格です。
「暇は悪徳を与える」と訳せます。

<追記>
Ōtiaもvitiaもともに語尾は-aです。rosa,-ae f.(バラ)の単数・主格も-aで終わります。動詞dantの形から主語は複数だとわかります。rosaのような第1変化名詞だと複数・主格はrosaeのように-aeの語尾になります。つまり、第1変化名詞の単数・主格が主語になっている可能性は消えます。

語尾が-aで終わり、なおかつ主格になると言えば、中性名詞がその条件を満たします。中性名詞は主格と対格の語尾が同じになり、複数の場合それが-aになるという点が特徴です。

要は、Ōtiaもvitiaも第2変化の中性名詞、複数・主格の可能性があると同時に複数・対格の可能性もあるということです。ラテン語は語順が自由なので、Ōtiaもvitiaもともに主語の可能性があるということになります。片方が主語なら、片方が目的語になります。

よって、上のラテン文は「悪徳は暇を与える」としても文法的には正解です。ただし、「暇は悪徳を与える」のほうが意味が通るので、訳としてふさわしいと考えられます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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