Tuque, o, dubiis ne defice rebus!

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「トゥークゥェ・オー・ドゥビイース・ネー・デーフィケ・レーブス」と読みます。
TūqueはTūと-queに分けて考えます。Tūは2人称単数の人称代名詞、主格です。
-queは「~も」を意味します。Tūqueで「あなたも」と訳せます。
ōは「おお」と訳せる間投詞です。
dubiīsは第1・第2変化形容詞dubius,-a,-um(疑っている、疑わしい、危険な)の女性・複数・奪格です。ここでは「危険な」を意味し、rēbusにかかります。
nēは命令法の動詞(dēfice)を伴い、「~するな」を意味します。
dēficeはdēficiō,-cere(見捨てる)の命令法・能動態・現在、2人称単数。目的語としてmē(私を)を補います。
rēbusはrēs,reī f.(もの、こと)の複数・奪格です。ここでは「状況において」を意味します(「場所の奪格」)。
「あなたも、おお、危険な状況において、私を見捨てるな」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』にみられる表現です(Aen.6.196)。
主人公アエネーアースが森で黄金の枝を探すさい、母(ウェヌス)に助力を求めるセリフです。
岡・高橋訳は、「あなたもまた、この危急のときに力を貸したまえ」となっています。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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