Amat victoria curam.

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「アマト・ウィクトーリア・クーラム」と読みます。
amat は「愛する」を意味する第1変化動詞 amō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
victōria は「勝利」を意味する第1変化名詞 victōria,-ae f.の単数・主格です。
cūram は「世話、準備、配慮」を意味する第1変化名詞 cūra,-ae f. の単数・対格です。
語順がVSOの順になっているので面食らうかもしれません。Victōria amat cūram.ならずいぶんわかりやすくなるでしょう。
ラテン語は語順が自由なので、文頭に動詞が来ることは珍しいことではありません。
「勝利は準備を愛する」と訳せます。
「入念な準備が勝利を導く」という趣旨のカトゥッルスの言葉です(62.16)。
「念には念を入れよ」という趣旨の言葉として、Cave paratus.があります。

<追記>
victōriaは「勝利」を意味する一般名詞ですが、Victōriaと表記すると、「勝利の女神」となります。同じく勝利を意味するギリシア語は「ニケ―」(Nike)です。「ナイキ」のラテン語はvictōriaです。これは女性名詞なので「女神」となります。ヴィクトリア女王は「勝利の女王」ということでしょうか。少なくともラテン語の文法に照らすと「ヴィクトリア王」は存在しません。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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