O miseras hominum mentes, o pectora caeca!

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「オー・ミセラース・ホミヌム・メンテース・オー・ペクトラ・カエカ」と読みます。
Ō は感嘆詞です。
miserās は「惨めな」を意味する第1・第2変化形容詞 miser,-sera,-serum の女性・複数・対格です。
hominum は「人間」を意味する第3変化名詞 homō,hominis c. の複数・属格です。mentēsにかかります。
mentēs は「精神、心」を意味する第3変化女性名詞 mens,mentis f. の複数・対格です。この対格は、「詠嘆の対格」と呼ばれ、行頭の Ō とあわせて詠嘆を表しています。
pectora は「心」を意味する第3変化中性名詞 pectus,-oris n. の複数・対格です。これも詠嘆の対格です。
caeca は「盲目の」を意味する第1・第2変化形容詞 caecus,-a,-um の中性・複数・対格です。pectoraにかかります。
直訳すると「おお、人間の惨めな精神よ、おお、盲目なる心よ」と訳せます。
死を恐れ、富と名声を求めてあくせくする人間精神を批判したルクレーティウスの言葉です。(『事物の本性について』2.14)

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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