「モッリス・イッラ・エードゥカーティオー・クゥァム・インドゥルゲンティアム・ウォカームス・ネルウォース・メンティス・エト・コルポリス・フランギト」と読みます。
mollisは「軟弱な」を意味する第3変化形容詞 mollis,-eの女性・単数・主格です。educatioにかかります。
illaは指示代名詞 ille,illa,illum(あれ、あの)の女性・単数・主格です。educatioにかかります。
educatioは「教育、しつけ」を意味する第3変化名詞 educatio,-onis f.の単数・主格です。この文の主語です。
quamは関係代名詞 qui,quae,quod の女性・単数・対格です。先行詞は educatio です。
indulgentiam は「慈悲、あまやかし」を意味する第1変化名詞 indulgentia,-ae f.の単数・対格です。
vocamusは「呼ぶ」を意味する第1変化動詞 voco,-are の直説法・能動態・現在、1人称複数です。
nervosは「腱、筋、神経」を意味する第2変化名詞 nervus,-i m. の複数・対格です。
mentisは「心」を意味する第3変化名詞 mens,mentis f.の単数・属格です。nervosにかかります。
etは「そして」。mentis と corporisをつなぎます。
corporisは「肉体」を意味する第3変化名詞 corpus,-poris n.の単数・属格です。
frangitは「粉砕する、こわす」を意味する第3変化動詞 frango,-ereの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「われわれが『あまやかし』と呼んでいるあの軟弱な教育が、心身の筋を粉砕する」と訳せます。
『ギリシア・ローマ名言集』(岩波書店)の柳沼先生訳では、「あの甘やかしという軟弱なしつけ方、あれが心身のあらゆる筋をずたずたにしてしまうのだ」となっています。
クィンティリアーヌスの『弁論術教程』にみられる表現です(1.2.6)。
ギリシア・ローマ名言集 (岩波文庫)
柳沼 重剛