Audi et alteram partem. 相手の言い分も聞け

語彙と文法

「アウディー・エト・アルテラム・パルテム」と読みます。
audī は「聞く」を意味する第4変化動詞 audiō,-īre の命令法･能動態・現在、2人称単数です。
et はこの場合「～も」の意味を示します。
alteram は「別の」を意味する代名詞的形容詞 alter,-era,-erum の女性・単数･対格で partem にかかります。
partem は「部分、側」を意味する第3変化名詞pars,partis f. の単数･対格です。
直訳は「別の側も聞きなさい」となり、「相手の意見も聞くように」という戒めを表した言葉です。

Audiは車のアウディーの元とされるラテン語ですね。

この格言はローマ法以来の法諺で、公平な審理のために「両当事者の主張を聞くこと」を求めています。今日の「自然法上の正義（natural justice）」の基本原則のひとつとされ、裁判のみならず社会一般の公正な判断に通じる教えです。