語彙と文法
「アー・フォンテ・プーロー・プーラ・デーフルイト・アクゥア」と読みます。
ā は奪格支配の前置詞で、「<奪格>から」を意味します。この文の奪格はfonteです。
fonteは「泉」を意味する第3変化名詞 fons,fontis m.の単数・奪格です。
pūrōは「清らかな」を意味する第1・第2変化形容詞 pūrus,-a,-umの男性・単数・奪格で、fonteにかかります。
pūraは同じ形容詞の女性・単数・主格でaquaにかかります。
dēfluitは「下へ流れる」を意味する第3変化動詞dēfluō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
主語はaquaです。aquaは第1変化名詞aqua,-ae f.(水)の単数・主格です。
「清らかな泉から清らかな水が流れる」と訳せます。
第3変化名詞cor,cordis n.(心)の変化
単数 | 複数 | |
主格(呼格) | cor | cordia |
属格 | cordis | cordum |
与格 | cordī | cordibus |
対格 | cor | cordia |
奪格 | corde | cordibus |
cor,cordis n.(心)は黙音幹名詞です。中性の例は少なく、cor,cordis n.(心)、lac,lactis n.(牛乳)、caput,capitis n.(頭)の三つだけです(『新ラテン文法』p.81)。
「清らかな心から清らかな言葉が流れる」(Ā corde pūrō pūrum dēfluit verbum.)など、いろいろ解釈できます。
教科書の解説
第3変化名詞については、『しっかり学ぶ初級ラテン語』の第4章「名詞と形容詞」の中で詳述しています(p.70~)。ただし、第3変化名詞に関して詳述している日本の教科書としては、『新ラテン文法』(松平千秋・国原吉之助)が一番だと思います。