Utrumque enim vitium est, et omnibus credere et nulli.

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「ウトルムクゥェ・エニム・ウィティウム・エスト・エト・オムニブス・クレーデレ・エト・ヌッリー」と読みます。
utrumqueは「2人、2つのどちらも」を意味する代名詞的形容詞uterque,utraque,utrumqueの中性・単数・主格です。
enimは「というのも」を意味する接続詞です。
vitiumは「間違い」を意味する第2変化名詞vitium,-ī n. の単数・主格です。
et A et Bの構文は「AもBも」を意味します。
omnibusは「すべての」を意味する第3変化形容詞omnis,-e の男性・複数・与格です。
crēdereは「<与格>を信じる」を意味する第3変化動詞crēdō,-ere の不定法・能動態・現在です。
nullī は「誰も~ない」を意味する代名詞的形容詞nullus,-a,-umの男性・単数・与格です。
「というのも、すべての人を信用することも、誰も信用しないことも、どちらも間違っているからだ」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Ep.3.4)。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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