Abi ad formicam, o piger.

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「アビー・アド・フォルミーカム・オー・ピゲル」と読みます。
abī は「去る」を意味する不規則動詞abeō,-īre の命令法・現在、2人称単数です。
formīcam は「蟻(あり)」を意味する第1変化名詞 formīca,-ae f. の単数・対格です。
ad は「<対格>へ」を意味する前置詞で、formīcam を補語に取ります。ad formīcamで「蟻の方へ」を意味します。
piger は「怠惰な」を意味する第1・第2変化形容詞piger,-gra,-grum の男性・単数・呼格です。ここでは「怠惰な者よ」という意味になります。「形容詞の名詞的用法」です。
同じ第1・第2変化形容詞でもbonus,-a,-um(よい)の場合、男性・単数・呼格の語尾は不規則で、-eで終わります(boneとなる)。一方、男性・単数・主格がpigerのように-erで終わるタイプのもの(「第1・第2変化形容詞の別形」)はそうではなく、男性・単数・呼格は男性・単数・主格と同じ形です。
「蟻の所へ去れ、おお、怠惰な者よ。」と訳せます。
勤勉な蟻のところで修行せよ、ということでしょう。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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