Imperium sine fine dedi.

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「インペリウム・シネ・フィーネ・デディー」と読みます。
imperium は「支配権」という意味の第2変化名詞imperium,-ī n.の単数・対格です。dedīの目的語です。
sine は「<奪格>なしに(の)」を意味する前置詞です。
fīne は「終わり、限界、際限」を意味する第3変化名詞 fīnis,-is c.の単数・奪格です。
sine fīneは「際限のない」を意味する形容詞句としてimperium にかかります。「際限(fīne)のない(sine)支配権を(imperium)」。
「際限がない」とは、時間的にも空間的にも限界が定められていないことを意味します。
dedī は、「与える」を意味する不規則変化動詞 dō,dare の直説法・能動態・完了、1人称単数です。「私は与えた」。
「私は際限のない支配権を与えた」という意味です。
誰に与えたかは省略されていますが、原文を読むとユピテルがその支配権をローマ人にそれを与えたことがわかります。
ウェルギリウスの『アエネーイス』の中でユッピテルがウェヌスに述べた言葉です。

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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