Victi vicimus.

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「ウィクティー・ウィーキムス」と読みます。
victī は第3変化動詞 vincō,-ere (勝つ)の完了分詞、男性・複数・主格です。
vīcimus は同じvinco,-ere の直説法・能動態・完了、1人称複数です。主語Nōsは省略されています。Nōsは1人称複数の人称代名詞、主格です。
完了分詞Victīは省略された主語Nōsの補語になります(「完了分詞の述語的用法」)。「我々は(Nōs)勝たれて(Victī)」すなわち、「我々は負かされて」と訳します。
このように、完了分詞 Victīは副詞的に(述語的に)訳すとよいでしょう。
文全体は、「われわれは負かされた状態で勝利する」と訳せます。
意訳すると、「われわれは負けて勝利する」となります。
原文の文脈を無視しこの表現だけで考えれば、「負けるが勝ち」と訳すこともできます。
ローマの喜劇作家プラウトゥスの作品(『カシナ』)に見られる表現です。

ローマ喜劇集 (2) (西洋古典叢書)
プラウトゥス 山下 太郎

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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