Esto tua sorte contentus.

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語彙と文法

「エストー・トゥアー・ソルテ・コンテントゥス」と読みます。
estōは「~である」を意味する不規則動詞sum,esse の命令法・未来、2人称単数です(形の上では3人称単数ともとれますが、tuāと矛盾します)。
tuā は「あなたの」を意味する2人称単数の所有形容詞tuus,-a,-um の女性・単数・奪格です。sorteにかかります。
sorte は「運命」を意味する第3変化名詞 sors,sortis f. の単数・奪格です。
contentus は「<奪格>に満足している」を意味する第1・第2変化形容詞、男性・単数・主格です。
「あなたは自分の運命に満足するがよい」と訳せます。

ラテン語の「運命」

「運命」を意味する名詞sorsを用いた他のラテン語として、ホラーティウスのLaetus sorte tuā vīvēs sapienter.あなたは自分の運命に喜びを持てば、賢明に生きることができるでしょう)があります。

ラテン語で「運命」を表す言葉はfātumとfortūnaがあります。前者は英語のfate、後者はfortuneの語源です。

contentusが奪格をとる例文として、セネカの言葉 Sē contentus est sapiens.(賢者は自らに満足している)があげられます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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