語彙と文法
「エストー・トゥアー・ソルテ・コンテントゥス」と読みます。
estōは「~である」を意味する不規則動詞sum,esse の命令法・未来、2人称単数です(形の上では3人称単数ともとれますが、tuāと矛盾します)。
tuā は「あなたの」を意味する2人称単数の所有形容詞tuus,-a,-um の女性・単数・奪格です。sorteにかかります。
sorte は「運命」を意味する第3変化名詞 sors,sortis f. の単数・奪格です。
contentus は「<奪格>に満足している」を意味する第1・第2変化形容詞、男性・単数・主格です。
「あなたは自分の運命に満足するがよい」と訳せます。
ラテン語の「運命」
「運命」を意味する名詞sorsを用いた他のラテン語として、ホラーティウスのLaetus sorte tuā vīvēs sapienter.(あなたは自分の運命に喜びを持てば、賢明に生きることができるでしょう)があります。
ラテン語で「運命」を表す言葉はfātumとfortūnaがあります。前者は英語のfate、後者はfortuneの語源です。
contentusが奪格をとる例文として、セネカの言葉 Sē contentus est sapiens.(賢者は自らに満足している)があげられます。