「セー・コンテントゥス・エスト・サピエンス」と読みます。
sēは3人称の再帰代名詞suī(自分)の男性・単数・奪格です。
contentusは「<奪格>に満足した」を意味する第1・第2変化形容詞 contentus,-a,-umの男性・単数・主格です。
sapiensは「賢者」を意味する第3変化名詞 sapiens,-entis m. の単数・主格です。
「賢者(哲学者)」というだけでなく、「理性的に生きる者」「自然に即して生きる者」というストア派的な意味がこめられています。
「賢者は自らに満足している」、「賢者は自足している」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Ep.9.13)。
セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也