In hoc fallimur, quod mortem prospicimus:

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「イン・ホーク・ファッリムル・クゥォド・モルテム・プロスピキムス」と読みます。
hocは「これ」を意味する指示代名詞hicの中性・単数・奪格です。quod以下の名詞節を指します。
in hocで「この点において」と訳せます。
fallimurは「迷わせる、誤らせる」を意味する第3変化動詞falloの直説法・受動態・現在、1人称複数です。形は受動態になりますが、日本語にする場合は「迷う、誤る」と訳した方が自然です。
quodは(英語のthatと同じく)名詞節を導きます。
mortemは「死」を意味する第3変化名詞morsの単数・対格です。
prospicimusは「遠くを見る」を意味する第3変化動詞 prospicio の直説法・能動態・現在、1人称複数です。
「この点で我々は誤る、すなわち、死を遠くに見ることにおいて」と訳せます。
「我々は死を遠くに見る点で過ちを犯す」と訳してもよいでしょう。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Ep.1.2)。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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