Pallida Mors aequo pulsat pede pauperum tabernas regumque turris.

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「パッリダ・モルス・アエクォー・プルサト・ペデ・パウペルム・タベルナース・レグムクェ・トゥッリース」と読みます。
第1・第2変化形容詞 pallidus,-a,-um は「青ざめた」という意味で、「死、死に神」を意味する Mors(女性・単数・主格)にかかります。
この文では性・数・格を一致させることにより、pallida (女性・単数・主格)の形になります。
aequō…pede は、「等しい足どりで」となります。
pēs,pedis(第3変化名詞)の単数奪格が、pede です。
第1・第2変化形容詞 aequus,-a,-um は pede と性・数・格が一致しています。
pulsatは「たたく」を意味するpulsō,-āreの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
tabernās(女性名詞 taberna,-ae f. の複数・対格:小屋)と turrīs(第3変化名詞 turris,-is f.の複数・対格:塔)を目的語にします。
pauperum(pauper の複数・属格:貧乏な→貧乏人)はtabernās にかかり、regumque (regum は第3変化名詞 rex,-gis m.の複数・属格、-que は英語の and に相当)はturrīs にかかります。
全体の訳は、「青ざめた死は、貧者の小屋も、王者のそびえ立つ館も等しい足で蹴りたたく」となります。
ローマの詩人ホラーティウスの言葉です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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