Conscientia bene actae vitae jucundissima est.

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「コンスキエンティア・ベネ・アクタエ・ウィータエ・ユークンディッシマ・エスト」と発音します。
conscientia は「意識」を意味する第1変化名詞conscientia,-ae f.の単数・主格で、この文の主語です。
bene は bonus (よい)の副詞で「よく」を意味します。
actae は「行う、なす、導く」等を意味する第3変化動詞 agō,-ere の完了分詞、女性・単数・属格で、vītae にかかります。
vītae は「人生、命」を意味する第1変化名詞 vīta,-ae f. の単数・属格で、conscientia にかかります。
jūcundissima は「快い」を意味する第1・第2変化形容詞 jūcundus,-a,-um の最上級で、女性・単数・主格です。この文の補語になっています。この最上級は「絶対的用法」と言って、他との比較において一番だというのではなく、単に程度がはなはだしいことを示す用法で、「大変快い、きわめて快い」と訳します。
「よく(bene)営まれた (actae) 生の(vītae)意識は (conscientia) 最も快い (jūcundissima est)。」となります。
actae vītae の属格が conscientia にかかっているわけですが、この属格は、「目的語の属格」(よく営まれた生を意識する)と理解できます。
キケローの『老年について』(Dē senectūte)に見られる言葉です(Cic.Sen.9)。
これは、日常よく耳にする台詞です。死ぬときに、自分の人生を振り返り、「ああいい人生だったなあ」と言えることが大事である、ということでしょう。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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