語彙と文法
「カンタービト・ウァクウス・コーラム・ラトローネ・ウィアートル」と読みます。
cantābit は「歌う」を意味する第1変化動詞 cantō,-āre の直説法・能動態・未来、3人称単数です。
vacuus は「空の、一文なしの」を意味する第1・第2変化形容詞 vacuus,-a,-um の男性・単数・主格です。viātorにかかります。
cōram は「<奪格>の面前で」を意味する前置詞です。
latrōne は「泥棒」を意味する第3変化名詞 latrō,-ōnis m. の単数・奪格です。cōramがこの奪格を要求します。
viātor は「旅人」を意味する第3変化名詞 viātor,-ōris m.の単数・主格です。この文の主語です。
直訳は「一文なしの(vacuus)旅人は(viātor)泥棒(latrōne)の前で(cōram)歌うだろう(cantābit)」となります。
ローマの風刺詩人ユウェナーリスの詩句です(Juv.10.22)。
訳例
「一文無しの旅人は、道中で追いはぎを相手に、歌のひとつも歌えよう」(柳沼重剛訳、『ギリシャ・ローマ名言集』)。
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