Brevitas delectat.

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語彙と文法

「ブレウィタース・デーレクタト」と読みます。
brevitās は「短さ、簡潔さ」を意味する第3変化名詞brevitās,-ātis f.の単数・主格です。
dēlectat は「喜ばせる」を意味する第1変化動詞 dēlectō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「簡潔さは喜ばせる」と訳せます。
「簡潔であることは人に喜びを与える」という意味です。

ホラーティウスの言葉

一方、ホラーティウスは『詩論』の中で、「簡潔であろうと努めると、曖昧になる」と述べています。文は冗長でもダメ、といって簡潔すぎてもいけない。とかく書くことは難しい、というわけでしょう。

主語に当たる単語を入れ替えると自分なりの格言がつくれそうです。Amor (愛は・・・)、Mūsa(学問、音楽は・・・)、Pecūnia (金銭は・・・)、Vēritās (真理は・・・)、Vīnum (お酒は・・・)といった具合にです。これらの主語はみな単数名詞です。

たとえば、Varietās dēlectat.(多様性は喜ばせる)というキケローの言葉もあります。「色々あるから面白い」ということですね。

私が考えた表現は、Proverbia dēlectant. (格言は喜ばせる)です。動詞の語尾が -ant になっているのは、主語が複数だからです。このように主語が複数の場合、動詞は dēlectant とします。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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