Beatus ille, qui procul negotiis paterna rura bobus exercet suis.

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ホラーティウス

「ベアートゥス・イッレ・クィー・プロクル・ネゴーティイース・パテルナ・ルーラ・ボーブス・エクセルケト・スイース」と読みます。
beātusは第1・第2変化形容詞beātus,-a,-um(幸福な)の男性・単数・主格です。文の補語です。動詞est(不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数)が省略されています。
illeは指示代名詞ille,illa,illud(あれ)の男性・単数・主格です。quī以下の関係文を受け、「quī以下の者は(ile)」と訳します。
quīは関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格です。先行詞はilleです。
proculは「~を離れて」を意味する副詞です。
negōtiīsはnegōtium,-ī n.(なすべき仕事)の複数・奪格です。
procul negotiisで「なすべき仕事を離れて」。
paternaは第1・第2変化形容詞paternus,-a,-um(父祖伝来の)の中性・複数・対格。rūraにかかります。
rūraはrūs,rūris n.(田舎)の複数・対格です。
bōbus は bōs,bovis c.(牛)の複数・奪格(「手段の奪格」)。
exercetはexerceō,-ēre(耕す)のチョクセツホウ・ノウドウタイ・ゲンザイ、3人称単数。
suīsは3人称の所有形容詞suus,-a,-um(自分の)の男性・複数・奪格で、bōbusにかかります。
「なすべき仕事を離れ、父祖伝来の田舎の土地を、自分の牛を使って耕す者は、幸いである。」と訳せます。
ホラーティウスの言葉です(Epod.2.1ff.)。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部
ホラーティウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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