Quid faciant leges ubi sola pecunia regnat?

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「クゥィド・ファキアント・レーゲース・ウビ・ソーラ・ペクーニア・レグナト」と読みます。
Quid は疑問代名詞 quis の中性・単数・対格です。faciant の目的語になっています。
faciant は「なす、行う」の意味を持つ動詞 facio の接続法・現在・3人称複数です。
leges は「法律」を意味する第3変化名詞 lex,legis f. の複数・主格の形です。
前半の訳は、「法律は(いったい)何ができるのか?」となります。接続法は、書き手の強い感情を投影しています。
ubi は「・・・のときに」を意味する接続詞です。
sola は「唯一の」という意味の第1・第2変化型形容詞 solus,-a,-um の女性・単数・主格で、pecunia にかかります。
pecunia は「金銭」を意味する第1変化名詞 pecunia,-ae f.の単数・主格です。
regnat は「支配する」を意味する第1変化動詞 regno,-are の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は pecunia です。
「唯一金銭が支配するとき、法律はいったい何をなすことができようか?」という意味になります。
ローマの風刺詩人ペトローニウスの言葉です。

サテュリコン―古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫)
ガイウス ペトロニウス 国原 吉之助
4003212215

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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