Poenam moratur improbus, non praeterit.

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語彙と文法

「ポエナム・モラートゥル・インプロブス・ノーン・プラエテリト」と読みます。
poenamは「罰」を意味する第1変化名詞poena,-ae f.の単数・対格です。
morāturは「遅らせる」を意味する第1変化の形式受動態動詞moror,-ārī の直説法・現在、3人称単数です。
improbusは「悪い」を意味する第1・第2変化形容詞 improbus,-a,-umの男性・単数・主格です。この文では名詞として使われ、「悪しき人は」と訳せます。
praeteritは「逃れる」を意味する不規則動詞(合成動詞)praetereō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「悪しき人は罰を遅らせるが、逃れることはできない」と訳せます。

「天網恢恢疎にして漏らさず」が思い出されます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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