Di a nullo videntur, ipsi autem omnia vident.

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「ディー・アー・ヌッロー・ウィデントゥル・イプシー・アウテム・オムニア・ウィデント」と読みます。
dī は「神」を意味する第2変化名詞 deus,-ī m. の複数・主格です。
nullō は「何の~も~ない」を意味する代名詞的形容詞nullus,-a,-umの男性・単数・奪格です。ここでは名詞的に用いられ、英語でいえば no one, nobody に相当する意味を表します。
videntur は「見る」を意味する第2変化動詞 videō,-ēre の直説法・受動態・現在、3人称複数です。主語は dī です。
受動態の構文で前置詞 ā + 奪格は「行為者」を示します。英語なら by +名詞となるところです。
ipsī は強意代名詞 ipse,-a,-um の男性・複数・主格です。ここでは「神々自身が」という意味になります。
autem は「一方、しかるに」を意味する接続詞です。
omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の中性・複数・対格です。vident の目的語です。この文では名詞化されています。「すべてのものを」。
vident は「見る」を意味する videō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「神々は誰にも見られないが、神々自身はすべてを見ている」と訳せます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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