Sī mihi pergit quae vult dīcere, ea quae nōn vult audiet.
ローマの喜劇作家テレンティウスの言葉です。
語彙と文法
Sī: もしも
mihi: 1人称単数の人称代名詞、与格。
pergit: pergō,-ere(<不定法>を続ける)の直説法・能動態・現在、3人称単数。主語は省略されたille(彼が)。pergitの要求する不定法はdīcere。
quae: 関係代名詞quī,quae,quodの中性・複数・対格。先行詞は省略されたea(指示代名詞is,ea,idの中性・複数・対格)。
vult: 不規則動詞volō,velle(<不定法>を望む)の直説法・能動態・現在、3人称単数。vultの要求する不定法はdīcere。
dīcere: dīcō,-ere(言う)の不定法・能動態・現在。
ea: 指示代名詞is,ea,id(それ)の中性・複数・対格。audietの目的語。
quae: 関係代名詞quī,quae,quodの中性・複数・対格。先行詞はea。
nōn: 「~でない」。vultを否定。
vult: 不規則動詞volō,velle(<不定法>を望む)の直説法・能動態・現在、3人称単数。vultの要求する不定法はaudīre(audiōの不定法・能動態・現在)。
audiet: audiō,-īre(聞く)の直説法・能動態・未来、3人称単数。
逐語訳
もし(Sī)彼が私に(mihi)彼が語ることを(dīcere)望む(vult)ところの(quae)ことを(<ea>)語ることを(dīcere)続ける(pergit)なら、彼は聞くことを(<audīre>)望まない(nōn vult)ところの(quae)ことを(ea)聞くであろう(audiet)。
和訳
向こうがわたしにむかって、自分の言いたいことばかりいつまでも言うんなら、あっちも、聞きたくないことばかり聞くことになろうぜ。(柳沼重剛訳)
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