Si vis me flere, dolendum est primum ipsi tibi.

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「シー・ウィース・メー・フレーレ・ドレンドゥム・エスト・プリームム・イプシー・ティビ」と読みます。
Sīは「もしも」を意味する接続詞で、条件文を導きます。
vīsは不規則動詞volō,velle(望む)の直説法・能動態・現在、2人称単数です。
mēは1人称単数の人称代名詞、対格です。flēreの意味上の主語です(対格不定法」)。
flēreはfleō,-ēre(泣く)の不定法・能動態・現在です。
doleō,-ēre(悲しむ)の動形容詞、中性・単数・主格です。estとともに「動形容詞の非人称表現」を作ります。
estは不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数です。
prīmumは「まず、最初に」を意味する副詞です。
ipsīは強意代名詞ipse,-a,-um(自ら、自身)の男性・単数・与格です。tibiにかかります。
tibiは2人称単数の人称代名詞、与格です。「行為者の与格」です。
「もし(Sī)私が(mē)泣くことを(flēre)君が望む(vīs)なら、まず(prīmum)君(tibi)自身によって(ipsī)悲しむことがなされるべき(dolendum)である(est)」と言うのが直訳です。
「もし私が泣くことを君が望むなら、君自身が先に悲しまなければならない」という意味です。
ホラーティウスの『詩論』に見られる表現です(Ars Poetica 102-103)。
読者に感動させるためには、まず書き手自身が感動を味わなければ話にならないという趣旨です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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