ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
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ラテン語入門のエッセイ
De fumo ad flammam. 煙から炎へ
語彙と文法 「デー・フモー・アド・フラッマム」と読みます。前置詞dē は「起源」を表し、「<奪格>から」を意味します。fumō は「煙」を意味する第2変化名詞 fumus,-ī m.の単数・奪格です。dē fumō で「煙から」と訳せます。ad は空間的な移動先を表し、... -
ラテン語入門のエッセイ
ノーベル賞のメダルのラテン語
ノーベル賞のメダルには次のラテン語が刻まれています。 Inventas vitam juvat excoluisse per artes 「見出された(inventās)技術を(artēs)通じて(per)<人間の>生活を(vītam)高めたことが(excoluisse)喜びとなる(juvat)」。 これはウェルギ... -
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Ignis aurum probat; miseria fortes viros. 火は黄金を試す
セネカ 語彙と文法 「イグニス・アウルム・プロバト。ミセリア・フォルテース・ウィロース」と発音します。ignis は「火」を意味する第3変化の男性名詞・単数・主格で、文の主語です。aurum は「黄金」を意味する第2変化の中性名詞・単数・対格です。proba... -
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2020-09-21 ウェルギリウスの命日に寄せて
今日9月21日はウェルギリウス(B.C.70~B.C.19)の命日とされる日です。 この日に合わせてaeneis.jpのドメインを取得し、サイトを一新しました。 ラテン語を学ぶ目的として、「ウェルギリウスを原文で読む」というのもありでしょう。 私は数多くの「自称初... -
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ラテン語のドレミの歌
以下は、ドレミの歌のルーツはラテン語にある、という話です。 詳しいことはウィキペディアの記事をごらんください。 聖ヨハネ讃歌 Ut queant laxīs resonāre fibrīs Mīra gestōrum famulī tuōrum, Solve pollūtī labiī reātum, Sancte Iōhannēs. 階名との... -
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labora. laboro.(ラボーラー・ラボーロー)
labōrō(働く)はamō(愛する)と同じ第1変化動詞。その命令法・能動態・現在、2人称単数はlabōrā(働け)となる。 表題のラテン語は「働け。私は働く。」という意味になる。一見何の変哲もない、無味乾燥な授業用の例文に見える。 だが、私には忘れがたい... -
ラテン語入門のエッセイ
文法の勉強に疲れた人へ
ある程度文法を学んだ人で、モーティベーションが中だるみした人向けの学習法は、原典を読む、です。 翻訳を横に置いて読めばよいのですが、話はそう簡単ではありません。どこから手を付けてよいかわからない、というのがラテン語読解の一般的なリアクショ... -
ラテン語入門のエッセイ
ASICSという社名の由来
(株)アシックスのHPの説明では、ユウェナーリスのMens sāna in corpore sānō.に由来するとのことです。 アシックスの社名の由来は古代ローマの風刺作家ユベナリスの「Anima Sana In Corpore Sano」(原典ではAnimaはMens)という言葉の頭文字から。意味... -
ラテン語入門のエッセイ
偉大という言葉
Magna voluisse magnum. 偉大なことを志したことが偉大である。 英語に Deeds, not words. (言葉ではなく、行動)という表現があり、これはこれで好きな言葉なのですが、上にご紹介したラテン語も、理想を掲げることの大切さを忘れぬためにも心に刻みた...