ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
-
ラテン語入門のエッセイ
Barba non facit philosophum. 髭は哲学者をつくらない
Barba non facit philosophum.というラテン語があります。「髭は哲学者をつくらない」と訳せます。 見かけ倒しを戒める警句です。「私は髭とマントを見るが哲学者は目にしない」というゲッリウス(ローマの著述家)の表現が元になっています。 ゲッリウス... -
ラテン語入門のエッセイ
Ubi sunt? 彼らは何処
語彙と文法 「ウビ・スント」と読みます。ubiは「どこに?」という意味の疑問副詞です。suntは不規則動詞sum,esse(いる、ある)の直説法・現在、3人称複数です。「彼らは(今)どこにいるのか?」と訳せます。 解釈 亡くなった人に思いを馳せる慣用句です... -
ラテン語入門のエッセイ
De te fabula. 自分の話と受け止めよ
De te fabula. デー・テー・ファーブラ 自分の話と受け止めよ 夏目漱石の『三四郎』に、「ダーターファブラ」の表記で出てくる言葉。ローマの詩人ホラーティウスの詩に出てくる表現です(Sat.1.1.69)。 直訳は、「その話はおまえに関するものである」と... -
ラテン語入門のエッセイ
一を聞いて十を知る
Ab uno disce omnes. アブ・ウーノー・ディスケ・オムネース 一から十を学べ ローマの詩人ウェルギリウスの言葉(aen.2.65-66)。表題の直訳は「一からすべてを学べ」となりますが、「一」とは何か?「すべて」とは何か?ちょっと気になるところです。叙... -
ラテン語入門のエッセイ
100年先の世界のために
年初に当たり、京都大学文学部100周年記念誌に寄せた文章を自分でも読み返しました。一昔前まで、恐らくどこにでも見られた、または、感じられた文学部の学びの一風景を言葉に書き留めたものです。 >>文学部で学んだこと:100年先の世界のために -
ラテン語入門のエッセイ
Rara juvant. 珍しきものが喜ばれる
語彙と文法 「ラーラ・ユウァント」と読みます。Rāraは第1・第2変化形容詞rārus,-a,-um (珍しい)の中性・複数・主格で、文の主語です。形容詞ですが名詞的に用いられています(「形容詞の名詞的用法」)。juvantはjuvō,-āre(喜ばせる、楽しませる)の直... -
ラテン語入門のエッセイ
Ignoranti quem portum petat, nullus ventus est. どの港を目指すかわからなければ順風は吹かない:セネカ
セネカ 語彙と文法 「イグノーランティー・クエム・ポルトゥム・ペタト・ヌッルス・ウェントゥス・エスト」と読みます。ignōrantī は第1変化動詞ignōrō,-āre(知らない)の現在分詞、男性・単数・与格です。quem は疑問形容詞quī,quae,quodの単数・対格で ... -
ラテン語入門のエッセイ
ラテン語の月
「ラテン語 月」で検索する人が多いようです。ラテン語の月の名前は以下の通りです。「月」という単語自体は lūna(ルーナ)です。 1月 Jānuārius ヤーヌアーリウス 2月 Februārius フェブルアーリウス 3月 Mārtius マールティウス 4月 Aprīlis ア... -
ラテン語入門のエッセイ
Hodie mihi, cras tibi. 今日は私に明日はあなたに
語彙と文法 「ホディエー・ミヒ・クラース・ティビ」と読みます。hodiē は「今日」を意味する副詞です。mihi は「私」を意味する1人称単数の人称代名詞 ego の与格です。crās は「明日」を意味する副詞です。tibi は「あなた」を意味する2人称単数の人称代...