ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
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ラテン語入門のエッセイ
Vis recte vivere? 汝正しく生きることを欲するか:ホラーティウス
語彙と文法 「ウィース・レクテー・ウィーウェレ」と読みます。visは「<不定法>を望む」を意味する不規則動詞 volo,velleの直説法・能動態・現在、2人称単数です。rectēは「正しく」を意味する副詞です。vīvereは「生きる」を意味する第3変化動詞 vīvō,-... -
ラテン語入門のエッセイ
Vive 生きよ
ラテン語で「生きる」を意味する一般的な言葉は vīvō(ウィーウォー)です。「万歳!」を意味するイタリア語の「ビバ(viva)!」という表現や、「生き生きとした」という意味の英単語 vivid もラテン語の vīvō (生きる)が語源です。 また、英語圏において... -
ラテン語入門のエッセイ
Victoria 勝利の女神
オリンピックが始まると、新聞に「金」の文字が踊ります。金・銀・銅という序列は、古代ギリシア文学でよく見られた「黄金時代」のエピソードと関連しているのかもしれません。すなわち、黄金時代から銀の時代、青銅の時代を経て、今は最悪の鉄の時代に生... -
ラテン語入門のエッセイ
Te tua, me mea delectant.
「テー・トゥア・メー・メア・デーレクタント」と読みます。teは2人称単数の人称代名詞tuの対格です。tuaは2人称単数の所有形容詞 tuus,-a,-um (あなたの)の中性・複数・主格です。meaは1人称単数の所有形容詞 meus,-a,-um(私の)の中性・複数・主格で... -
ラテン語入門のエッセイ
Aquila nōn capit muscās. 鷲は蠅を捕まえない
Aquila nōn capit muscās. アクゥィラ・ノーン・カピト・ムスカース 鷲は蠅を捕まえない 元はギリシア語のことわざでしたが、いつしかラテン語に訳され広まりました。それだけ共感する人が多かったのでしょう。一言で言えば、大物は小物に頓着しない、と... -
ラテン語入門のエッセイ
愛されたいなら、愛しなさい:セネカ
Sī vīs amārī, amā. 愛されたいなら、愛しなさい セネカの言葉です(「倫理書簡集」9.6。文法の説明はこちら)。Sī (もしも)をとった形、Vīs amārī? Amā. でも知られます。この場合、「愛されたいか。では愛せ」となります。 amārī は不定法で「愛される... -
ラテン語入門のエッセイ
ラテン語を学ぶ意義
先日のラテン語の夕べではあえて「翻訳することの大事さ」を述べました。語学の習得という目的に絞って言えば、カエサルやキケローを暗唱するなどして音の響きも何もかも自分のものにできたらよいのでしょう。 一方、私たちが普通にラテン語を学ぶ場合、一... -
ラテン語入門のエッセイ
できると思うからできる
できると思うからできる(Possunt quia posse videntur.) いろいろな場面で心の支えになりそうな言葉です。 元はウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』にみられる表現です。船による競技が最大の盛り上がりを見せる場面で、勝利を確信して全力を尽く... -
ラテン語入門のエッセイ
In oculis animus habitat. 目に心は宿る
In oculis animus habitat.これは大プリーニウスの言葉です。「目は心の窓」や「目は口ほどにものを言う」など、日本語にも似た表現があります。時代や国が違っても、考えること、感じることは同じです。 目は感覚器の一つですが、体の他の部分と異なる不...