Victoria 勝利の女神

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オリンピックが始まると、新聞に「金」の文字が踊ります。金・銀・銅という序列は、古代ギリシア文学でよく見られた「黄金時代」のエピソードと関連しているのかもしれません。すなわち、黄金時代から銀の時代、青銅の時代を経て、今は最悪の鉄の時代に生きているとヘシオドスは言います(『仕事と日』)。

表題の「勝利の女神」ですが、ラテン語だと Victoria となり女性名詞です。-a で終わる単語(細かく言うと第一変化名詞と呼ばれる)は基本的に女性名詞です。Fortuna (運命の女神)も同じです。英語の Victory, fortune の語源です。このように、古典の時代では、抽象名詞が神格化されて用いられることがよくあります。

ギリシア語で「勝利」を意味する名詞はニケー (nike) であり、それが固有名詞として使われたものが。このと呼ばれます。靴のナイキというメーカーがありますが、綴りをローマ字読みして下さい。ニケと発音できますね。古典語はローマ字読みが基本です(英語の発音の方が難しい)。このメーカーは、勝利の女神を会社名にしているわけです。

正義の女神とも言います。英語で「正義」は justice ですが、ラテン語では justitia といいます。綴りを見れば、これも女性名詞とわかります。だてに「・・・の女神」とは呼ばないわけです。そう呼ぶ理由はラテン語名を思い浮かべることで理解できます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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