Tempora mutantur, et nos mutamur in illis.

  • URLをコピーしました!

「テンポラ・ムータントゥル・エト・ノース・ムータームル・イン・イッリース」と読みます。
temporaは第三変化名詞 tempus, -oris の複数主格です。
中性なので、複数主格(対格も)はaで終わっています。
単数・属格が-is で終わっていますので、第三変化名詞とわかります。
mutanturは第一変化動詞 muto(意味はto move, change) の直説法・受動相・現在・3人称・複数の形です。
nos は人称代名詞・1人称・複数・主格(英語ではwe)の形です。
これに対応する動詞 mutamur は、直説法・受動相・現在・1人称・複数の形になっています。
意味は、「我々は変えられてしまう」→「我々は変わってしまう」となります。
前置詞 in プラス奪格で、「~の中で」と訳します。
illisは、指示代名詞 ille(あれ、あの)の中性・複数・奪格の形です。中性と考えるのは、先行する tempora を指していると考えられるからです。
訳は「時は移ろい、我々も時の移ろいの中で変わってしまう。」となります。
「万物は流転する」(パンタ・レイ)を想起します。これはギリシア語の格言として有名です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメントする

目次