Amor odit inertes.

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語彙と文法

「アモル・オーディト・イネルテース」と読みます。
amor は「愛、恋」を意味する第3変化名詞amor,-ōris m.の単数・主格です。
ōdit は「憎む」を意味する不完全動詞(現在形がない) ōdī,-isse の3人称単数です。ōdī は完了形ですが、訳す場合は現在として訳します。
inertēs は「のろい、鈍重な」を意味する第3変化形容詞 iners,-ertis の男性・複数・対格です。ここは名詞的に用いられ、「のろい者たちを」と訳せます。
「愛はのろい者たちを憎む」、「愛はのろまが嫌い」と訳せます。
ローマの恋愛詩人オウィディウスの『恋の技術』に見られる言葉です(2.229)。

補足説明

表題の言わんとすることは単純で、女性を口説くにはグズやのろまでは駄目という意味です。女にモテるにはまめでなくてはいけない、と詩人は忠告。日中は女性のために日傘をさしてお供せよ、部屋の中でもかいがいしく身の回りのお世話をして差し上げるべし。どこかへ来てほしいと言われたら、万難を排して駆けつけよ。車がなければ走って行け。雨が降ろうが雪が降ろうが遅延は厳禁、「愛はのろまが嫌い」だから、と。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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