Justitia saepe causa gloriae est.

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「ユスティティア・サエペ・カウサ・グローリアエ・エスト」と読みます。
Justitia は「正義」を意味するjustitia,-ae f.の単数・主格です。この文の主語です。
saepe は「しばしば」という意味の副詞です。
causa は「原因」を意味するcausa,-ae f.の単数・主格です。この文の補語です。
glōriae はglōria,-ae f.(栄光)の単数・属格で、直前の causa にかかります。「栄光の原因」と訳せます。
「正義はしばしば栄光の原因である」という意味になります。

<余談>
いつの世も正直者が馬鹿を見るのでしょうか。古代ギリシアの詩人ヘシオドスはパンドラの神話などを織りまぜつつ、正義の重んじられる社会の実現を願って『仕事と日』(松平千秋訳、岩波文庫)をかきました。『論語』に「徳孤ならず。必ず隣あり。」という言葉があります。「正義が孤立する」とは思われません。ユウェナーリスは逆に、Probitās laudātur et alget. (正直は賞賛され、凍える)と述べました。probitās は賞賛されても、実際には人々に煙たがられる、という主旨でしょう。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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