「ユスティティア・サエペ・カウサ・グローリアエ・エスト」と読みます。
Justitia は「正義」を意味するjustitia,-ae f.の単数・主格です。この文の主語です。
saepe は「しばしば」という意味の副詞です。
causa は「原因」を意味するcausa,-ae f.の単数・主格です。この文の補語です。
glōriae はglōria,-ae f.(栄光)の単数・属格で、直前の causa にかかります。「栄光の原因」と訳せます。
「正義はしばしば栄光の原因である」という意味になります。
<余談>
いつの世も正直者が馬鹿を見るのでしょうか。古代ギリシアの詩人ヘシオドスはパンドラの神話などを織りまぜつつ、正義の重んじられる社会の実現を願って『仕事と日』(松平千秋訳、岩波文庫)をかきました。『論語』に「徳孤ならず。必ず隣あり。」という言葉があります。「正義が孤立する」とは思われません。ユウェナーリスは逆に、Probitās laudātur et alget. (正直は賞賛され、凍える)と述べました。probitās は賞賛されても、実際には人々に煙たがられる、という主旨でしょう。
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