Non poteras animi vertere jura tui.

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語彙と文法

「ノーン・ポテラース・アニミー・ウェルテレ・ユーラ・トゥイー」と読みます。
nōnは「~でない」。poterāsを否定します。
poterāsは不規則動詞 possum,posse(~できる)の直説法・未完了過去、2人称単数です。「あなたは~できた」。
animīは「心」を意味する第2変化名詞 animus,-ī m.の単数・属格です。jūraにかかります。
vertereは「変える」を意味する第3変化動詞 vertō,-ereの不定法・能動態・現在です。poterāsの要求する不定法です。
jūraは「法則」を意味する第3変化名詞 jūs,jūris n.の複数・対格です。vertereの目的語です。
tuīは2人称単数の所有形容詞 tuus,-a,-umの男性・単数・属格です。animīにかかります。「あなたの心の」。
「あなたはあなたの(自分の)心の法則を変えることができなかった」となります。

補足説明

「あなた」とは「キルケー」という女の魔法使いです。キルケーが人間を愛してしまったことを暗示しています。自分の心の法則、すなわち人を愛する心を魔法で曲げることは不可能であったという意味です。オウィディウスの表現です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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