Probitas laudatur et alget.

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ユウェナーリス

語彙と文法

「プロビタース・ラウダートゥル・エト・アルゲト」と読みます。
Probitāsは第3変化名詞 probitās,-ātis f.(誠実、正直)の単数・主格で、文の主語です。
laudāturはlaudō,-āre(称賛する)の直説法・受動態・現在、3人称単数です。
etは「そして」。laudāturとalgetをつなぎます。
algetはalgeō,-ēre(凍える)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は文頭のProbitāsです。
「probitas(正直)はlaudatur され(=賞賛され)、そしてalgetする(=凍える)。」というのが文の構造です。
出典はユウェナーリス、『風刺詩』第一番74 です。

補足説明

清廉潔白は賞賛されるが、誰からも省みられないという意味になります。『論語』の「徳孤ならず。必ず隣り有り」とは逆の意見のようです。マーク・トウェインの”Classic: A book which people praise and don’t read.”(古典。人々が賞賛するが読まない本のこと)という言葉も思い出します。

ローマ諷刺詩集 (岩波文庫)
ペルシウス ユウェナーリス 国原 吉之助
4003212517

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • […] 山下です。 『論語』に「徳孤ならず。必ず隣あり」という言葉があります。 意味は読んで字のごとくですが、いわゆる「世間」と距離を置いた自分の信じる道が孤独に感じられるとき、思い出すとよいでしょう。 ラテン語には、「清廉潔白は賞賛されるが、誰からも省みられない」という趣旨の言葉があり(Probitas laudatur et alget.)、興味深く思われます。むろん、「徳」を尊ぶ心は古今東西変わらない普遍的価値ある態度であり、その証拠に、「徳」という言葉を今私たちは現代の語彙に数えることができるわけです(英語ならvirtue、語源はラテン語のvirtus)。 […]

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