Stultus nil celat: quod habet sub corde revelat.

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語彙と文法

「ストゥルトゥス・ニール・ケーラト・クゥォド・ハベト・スブ・コルデ・レウェーラト」と読みます。
stultusは「愚かな」を意味する第1・第2変化形容詞、男性・端数・主格です。ここでは名詞的に用いられ(「名詞的用法」)、「愚か者は」と訳せます。
nīlは英語のnothingに相当する中性の不変化名詞、単数・対格です。
cēlatは「隠す」を意味する第1変化動詞 cēlō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
quodは関係代名詞quī,quae,quodの中性・単数・対格です。先行詞 id(指示代名詞is,ea,idの中性・単数・対格)は省略されています。
habetは「持つ」を意味する第2変化動詞 habeō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
subは「~の下に」を意味する奪格支配の前置詞です。
cordeは「心」を意味する第3変化中性名詞 cor,cordis n. の単数・奪格です。
revēlatは「明らかにする、明るみに出す」を意味する第1変化動詞 revēlō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「愚か者は何も隠さない。彼は心の下に(奥に)持つものを明るみに出す」と訳せます。

本心は慎み深く口に出さないことも大切という趣旨かと思われます。
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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