Homines id quod volunt credunt.

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「ホミネース・イド・クォド・ウォルント・クレードゥント」と発音します。
hominēs は「人間」を意味する第3変化名詞、複数・主格で、この文の主語です。
id は指示代名詞 is,ea,id の中性・単数・対格で、関係代名詞 quod の先行詞となっています。
volunt は「望む」を意味する不規則動詞 volō,velle の直説法・能動態・現在、3人称複数で、目的語はidです。このidを quod voluntが説明しています。
crēdunt は「信じる」を意味する第3変化動詞 crēdō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数で、主語は hominēs です。
英語的に語順を並べ替えると、Hominēs crēdunt id quod volunt.です。そして英語の場合id quodをwhatで表します(People believe what they wish.となります)。
「人間は(信じたいと)望むことを信じる。」という意味です。
原文は、カエサルの『ガリア戦記』第3巻18節に見られる言葉で、そこには副詞 libenter (自由に)が頭についています。
この場合、「人間は、自分が信じたいと望むことを喜んで信じるものである。」という意味になります。
カエサルの『ガリア戦記』は名文と言われます。翻訳で読んでもそれを感じることができると小林秀雄は述べています。ベストは原文で読んで味わうことです。
第1巻に関して、一字一句解説した資料を用意しました。>>カエサル『ガリア戦記』第1巻をラテン語で読む

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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