「ホミネース・イド・クォド・ウォルント・クレードゥント」と発音します。
hominēs は「人間」を意味する第3変化名詞、複数・主格で、この文の主語です。
id は指示代名詞 is,ea,id の中性・単数・対格です。関係代名詞 quod の先行詞となっています。
volunt は「望む」を意味する不規則動詞 volō,velle の直説法・能動態・現在、3人称複数です。目的語としてcrēdereを補います。
crēdunt は「信じる」を意味する第3変化動詞 crēdō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。主語は hominēs で、目的語はidです。
英語的に語順を並べ替えると、Hominēs crēdunt id quod volunt (crēdere).です。そして英語の場合id quodをwhatで表します(People believe what they wish (to believe).となります)。
「人間は(信じたいと)望むことを信じる。」という意味です。
原文は、カエサルの『ガリア戦記』第3巻18節に見られる言葉です。そこには副詞 libenter (自由に)が頭についています。
この場合、「人間は、自分が信じたいと望むことを喜んで信じるものである。」という意味になります。
カエサルの『ガリア戦記』は名文と言われます。翻訳で読んでもそれを感じることができると小林秀雄は述べています。ベストは原文で読んで味わうことです。
第1巻に関して、一字一句解説した資料を用意しました。>>カエサル『ガリア戦記』第1巻をラテン語で読む
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