Animum rege, qui nisi paret, imperat.

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「アニムム・レゲ・クィー・ニシ・パーレト・インペラト」と読みます。
animum は「心」を意味する第2変化名詞 animus,-ī m. の単数・対格で、rege の目的語です。
rege は「支配する」を意味する第3変化動詞 regō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称単数です。
animum rege は「心を支配せよ」という意味です。
quī は関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格で、animum が先行詞です。ここは制限用法でなく、非制限用法とみなします。指示代名詞として訳せばよいです。「それ(心)が」。
nisi は「もし~でなければ」。英語の unless と同じ意味です。続く直説法の動詞 pāret を否定した内容の仮定の文をつくります。
pāret は「従う」を意味する第2変化動詞 pāreō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は quī ですが、animus を意味することになります。
nisi pāret で、「もしそれが(あなたに)従わなければ」。
imperat はregō と同じく「支配する」を意味します。第1変化動詞 imperō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は animus です。目的語tēが省かれています。
「心を支配せよ、もしそれが(あなたに)従わなければ、(あなたを)支配するからだ」と訳せます。
quī 以下は、今訳したように理由を表すと解釈できます。
表題に先立つ部分で、īra furor brevis est. (怒りは短い狂気)と言われています。その関連で言えば、この文のanimusはīraの言い換えと解釈できます。
ホラーティウスの詩に見られる言葉です。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー『神々の本性について』(岩波書店)、ネポース『英雄伝』(講談社学術文庫)、プラウトゥス『カシナ』、テレンティウス『兄弟』、ルクレ―ティウス『事物の本性について』(いずれも京都大学学術出版会)。単著に『ローマ人の名言88』(牧野出版)、『しっかり学ぶ初級ラテン語』、『しっかり身につくラテン語トレーニングブック』、『ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」』(いずれもベレ出版)、『お山の幼稚園で育つ』(世界思想社)。

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