Fortuna vitrea est; tum cum splendet frangitur.

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語彙と文法

「フォルトゥーナ・ウィトレア・エスト・トゥム・クム・スプレンデと・フランギトゥル」と読みます。
fortūna は「運命」を意味する第1変化名詞 fortūna,-ae f.の単数・主格です。
vitrea は「ガラスの」を意味する第1・第2変化形容詞 vitreus,-a,-umの女性・単数・主格です。文の補語です。
tum (そのとき)は、cum 以下の従属文を指します。
splendet は「輝く」を意味する第2変化動詞 splendeō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。主語は fortūna です。
frangitur は「壊す」を意味する第3変化動詞 frangō,-ere の直説法・受動態・現在、3人称単数です。
「運命はガラスでできている。輝くときに砕け散る。」という意味です。
プブリリウス・シュルスの言葉です。

「運命」を意味するラテン語のfortūnaは「盲目の」(caeca)などと形容され、不確か、不確実なものの代名詞のように扱われます。同じ「運命」でもfātum/fātaはその逆で、「不動のもの」という扱いを受けます。ウェルギリウスの『アエネーイス』の中に、manent immōta fāta(運命は不動のまま変わらない)という言葉があります。

第3変化動詞frangō,-ereの直説法・受動態・現在の活用

単数複数
1人称frangorfrangimur
2人称frangerisfrangiminī
3人称frangiturfranguntur

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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