ラテン語格言

Injuriarum remedium est oblivio.

2011年5月12日

「インユーリアールム・レメディウム・エスト・オブリーウィオー」と読みます。
injūriārum は「不正、被害」を意味する第1変化名詞 injūria,-ae f. の複数・属格です。remediumにかかります。
この属格は「目的語的属格」と呼ばれます。
たとえば、amor deīという表現において、deī(deusの単数・属格)はamorにかかります。
日本語に訳すと「神の(deī)愛(amor)」ですが、「神<が>(人間を)愛すること」と訳す場合は「主語的属格」、「神<を>(人間が)愛すること」と訳す場合は「目的語的属格」です(どちらも可能)。
remedium は「治療」を意味する第2変化名詞 remedium,-ī n. の単数・主格です。
再び injūriārum remediumについて言えば、直訳は「不正の(injūriārum)治療(remedium)」です。この表現は、「不正<が>治療すること」ではなく「不正<を>治療すること」と解釈できますので、このinjūriārumは「目的語的属格」とみなせます。
estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
oblīviō は「忘却」を意味する第3変化名詞 oblīviō,-ōnis f. の単数・主格です。
remediumもoblīviōもどちらも主語の資格があります。片方を主語とみなすと、片方を補語とみなします。
一般的な訳は、「不正の治療は忘却である。」となります。
これを「忘却とは不正の治療である」と訳すこともできます。
プブリリウス・シュルスの金言です。

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