Ignoti nulla cupido.

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オウィディウス

語彙と文法

「イグノーティー・ヌッラ・クピードー」と読みます。
ignōtīは「知られていない、未知の」を意味する第1・第2変化形容詞 ignōtus,-a,-umの中性・単数・属格です。この文では名詞的に用いられています。この属格は「目的語的属格」で「未知のものに対する」を意味し、cupīdōにかかります。
nullaは英語のnoに相当する代名詞的形容詞nullus,-a,-um(ない)の女性・単数・主格です。cupīdōにかかります。
cupīdōは「欲望」を意味する第3変化名詞cupīdō,-dinis m.の単数・主格です。
「未知のものにはいかなる欲望も生じない」と訳せます。
オウィディウスの『恋の技法』に見られる表現です(Ov.A.A.3.397)

ignōtīは「目的語的属格」と呼ばれる用法です。「属格のさまざまな用法」で具体例を挙げて説明しています。

恋の技法 (平凡社ライブラリー)
オウィディウス Publius Ovidius Naso
458276097X

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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