Mors omnibus instat.

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語彙と文法

「モルス・オムニブス・インスタト」と読みます。
morsは「死」を意味する第3変化名詞mors,mortis f.の単数・主格で、この文の主語です。
omnibusは「すべて」を意味する第3変化形容詞omnis,-eの男性・複数・与格です。この文では名詞的に扱われ(「形容詞の名詞的用法」)、「すべての人たち」を意味します。
instatは「<与格>を脅かす」という意味の第1変化動詞instō,-āreの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「死は万人を脅かす」と訳せます。

読書案内

死の恐怖にどう立ち向かうかについて、ローマの詩人でいえばルクレーティウスは『事物の本性について』の中でエピクーロス哲学の立場から処方箋を書いています。セネカは『人生の短さについて』の中で、この問題に対する真摯な意見を述べています。前者はやや読みづらく、後者は読みやすいと思います。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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