語彙と文法
「モルス・オムニブス・インスタト」と読みます。
morsは「死」を意味する第3変化名詞mors,mortis f.の単数・主格で、この文の主語です。
omnibusは「すべて」を意味する第3変化形容詞omnis,-eの男性・複数・与格です。この文では名詞的に扱われ(「形容詞の名詞的用法」)、「すべての人たち」を意味します。
instatは「<与格>を脅かす」という意味の第1変化動詞instō,-āreの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「死は万人を脅かす」と訳せます。
読書案内
死の恐怖にどう立ち向かうかについて、ローマの詩人でいえばルクレーティウスは『事物の本性について』の中でエピクーロス哲学の立場から処方箋を書いています。セネカは『人生の短さについて』の中で、この問題に対する真摯な意見を述べています。前者はやや読みづらく、後者は読みやすいと思います。