Multi multa sapiunt, et se ipsos nesciunt.

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「ムルティー・ムルタ・サピウント・エト・セー・イプソース・ネスキウント」と読みます。
multīは「多くの」を意味する第1・第2変化形容詞 multus,-a,-um の男性・複数・主格です。
multa はその中性・複数・対格で、sapiunt の目的語です。
sapiunt は「分別がある、知る」を意味する第3変化動詞 sapiō,-pere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
sē は再帰代名詞suī(自分)の男性・複数・対格です。
ipsōs は強意代名詞 ipse,-a,-um の男性・複数・対格です。sēにかかります。
nesciunt は「知らない」を意味する第4変化動詞 nesciō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「多くの者は多くのことを知るが、自分自身については何も知らない」と訳せます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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