Errare humanum est.

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語彙と文法

「エッラーレ・フーマーヌム・エスト」と読みます。
errāre は「間違う」を意味する第1変化動詞errō,-āre の不定法・能動態・現在で、この文の主語になっています。不定法は中性・単数の名詞扱いをします。
hūmānum は「人間的な」という意味の第1・第2変化形容詞hūmānum,-a,-umの中性・単数・主格です。
この単語は、不定法(errāre)の補語となっています。
「過ちを犯すことは人間的なことである」という意味になります。

補足説明

Ignoscere dīvīnum.(許すは神のなせるわざ)と続きます。
Errāreの代わりに他の動詞の不定法・能動態・現在を代入してみると色々格言めいた表現が出来上がります。
例えば、Amāre hūmānum est.とすると、「愛することは人間的なことである」となります。
不定法・能動態・現在在の形は、辞書を引くとすぐに見つかります。見出しの右横に書いてある形です。

余談:『論語』の不達の言葉

「過ち」ということでいえば、『論語』の次の不達の言葉を思い出します。

子曰わく、過ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)う。
過ちては則ち改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。

errāreを「過ちを犯す」と訳すのは一つの解釈です。辞書でerrōを引くと、「さまよう、心が迷う」という訳語も見つかります。文脈がないので、どれを選んでも意味は成立します。文脈は自分の人生観で補うということになります。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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