語彙と文法
「エッラーレ・フーマーヌム・エスト」と読みます。
errāre は「間違う」を意味する第1変化動詞errō,-āre の不定法・能動態・現在で、この文の主語になっています。不定法は中性・単数の名詞扱いをします。
hūmānum は「人間的な」という意味の第1・第2変化形容詞hūmānum,-a,-umの中性・単数・主格です。
この単語は、不定法(errāre)の補語となっています。
「過ちを犯すことは人間的なことである」という意味になります。
補足説明
Ignoscere dīvīnum.(許すは神のなせるわざ)と続きます。
Errāreの代わりに他の動詞の不定法・能動態・現在を代入してみると色々格言めいた表現が出来上がります。
例えば、Amāre hūmānum est.とすると、「愛することは人間的なことである」となります。
不定法・能動態・現在在の形は、辞書を引くとすぐに見つかります。見出しの右横に書いてある形です。
余談
「過ち」ということでいえば、『論語』の次の不達の言葉を思い出します。
子曰わく、過ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)う。
過ちては則ち改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。

errāreを「過ちを犯す」と訳すのは一つの解釈です。辞書でerrōを引くと、「さまよう、心が迷う」という訳語も見つかります。文脈がないので、どれを選んでも意味は成立します。文脈は自分の人生観で補うということになります。
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