Equo ne credite, Teucri.

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語彙と文法

「エクゥォー・ネー・クレーディテ・テウクリー」と読みます。
equōは「馬」を意味する第2変化名詞 equus,-ī m.の単数・与格です。
nē は命令法を伴い、「~するな」を意味する副詞です。
nē+命令法・現在は詩の中などに出てきます。文法書によっては本来の用法ではないと書かれていますが、実際よくお目にかかる表現です。
例) Nē frontī crēde. 見かけを信じるな。
crēditeは「<与格>を信じる」を意味する第3変化動詞 crēdō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称複数です。
Teucrīは「トロイア人」を意味する第2変化名詞 Teucer,-crī m.の複数・呼格です。
「その馬を信じるな、トロイア人よ」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に出てくる表現です(Aen.2.48)。
Quidquid id est, timeō Danaōs et dōna ferentīs.(それが何であれ、たとえ贈り物をもってきても私はギリシア人を恐れる)とつづきます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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