Homines dum docent discunt.

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「ホミネース・ドゥム・ドケント・ディスクント」と読みます。
hominēsは「人間」を意味する第3変化名詞homō,-minis c. の複数・主格で、この文の主語です。c.は「男性名詞としても女性名詞としてもつかわれる」と言う意味です。
dum は接続詞で「~する間」を意味します。
docent は「教える」を意味する第2変化動詞 doceō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
discunt は「学ぶ」を意味する第3変化動詞 discō,-ereの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
どちらの動詞も主語は hominēsです。
「人間は教える間、学んでいる」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』(Ep.7.8)に見られる言葉です。
別の類似表現として、Docendō discimus.(私たちは教えることによって学ぶ)やDocēre est discere. もあります。
このdocendōはdoceōの動名詞、奪格です。Docēreとdiscereはdoceōとdiscōの不定法(・能動態・現在)です。

 

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメント一覧 (5件)

  • 山下 太郎様
     突然のお尋ねで誠に申し訳ございません。現在、私は、フェルビーストの『ELEMENTA  LINGUAE TARTARICAE』を全くの独学で、満洲語の学習のため読み始めています。辞書は『研究社・羅和辞典』、文法書は『東洋出版・新ラテン文法』を使用しております。
     いつも山下先生のホームページの説明に助けられて何とか一語一語確定しながら読み進めていますが、今、どうしてもわからない言葉にぶつかり困惑しています。大変お忙しいところ、もし可能であれば、ご教授いただければ幸いでございます。
     その言葉とは、「addiscendas」と「docendasque」という単語です。自分なりに文脈から考えると誤っているかもしれませんが「習得すべき」、「学ぶべき」と訳すと良いかと思っていますが、文法的にこの単語はどのようなものなのか確定することが出来ません。
     誠に勝手なお願いで恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。

    • 山下です。
      addiscoとdoceoの「動形容詞」です。訳し方は書かれた通りです。「新ラテン文法」p.207以下をご参照ください。

  • 追伸
     山下 太郎様
     先ほどのメールで、焦って入力して「docendasque」を「学ぶべき」と訳しましたが、「学ぶべき事」が私の訳でした。訂正いたします。見ず知らずの私の失礼な質問どうぞお許し下さい。

    • 山下です。
      うっかりしていましたが、docendasqueについて、docendasはdoceoの動形容詞、女性・複数・対格です。そして、-queは「そして」を意味します。
      この表現の前後に複数の女性名詞が見つかるはずです。res(事)なら話ははやいです。お書きになった通り、「学ぶべき事」となります。

  • 山下 太郎先生へ
     見ず知らずの私の突然の質問にお答えいただいて、誠に光栄に感じていおります。私は、東京在住の者で、京都に住んでいれば山下先生に直接お許しを頂ければ、教えを乞う事も出来ますがそれも叶わず、突然メール申し上げました。お許しいただければ、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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