Quae nocent docent.

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「クゥァェ・ノケント・ドケント」」と読みます。
読み方は目安です。発音記号で書くと、quaeは[kwae]です。nocentの語尾-tも「ト」でなく[t]とすべきところ。
(私は発音に自信がなく、教室では「クワエ」と聞こえるかも知れませんし、注意しないと「ノケンt」でなく本当に「ノケント」と言っているかもしれません)。
quaeは関係代名詞、quīの中性・複数・主格です。先行詞は省かれています。指示代名詞is(それ)の中性・複数・主格eaを補います。
nocentは「傷つける、害を与える」を意味する第二変化動詞noceoの直説法・能動態・現在、三人称複数です。
quae nocentだけで、「傷つける(nocent)ところの(quae)そのものは(ea)」と訳せます。
これが主語です。
docentは「教える」を意味する第二変化動詞doceoの直説法・能動態・現在、三人称複数です。
この文の述語です。
「傷つけるものは教える」と訳せます。「害するものは教える」でもかまいません。
具合の悪いことが起き、その解決に取り組むことで、改善の道が見えることがあります。
立場に応じて様々に解釈できるフレーズです。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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