エッセイ

己に勝つということ

2010年6月28日

Bis vincit, qui se vincit in victoria.というラテン語があります。「勝利において己に勝つ者は二度勝つ」と訳せます。プブリリウス・シュルスの言葉です。

なぜ「二度」と言われるのでしょうか。

勝負事では常に相手と自分の二種類の敵と戦うと考えられます。相手に勝っても有頂天になっていては己に負けたことになります。逆に言えば、試合に負けても感情をコントロールし己に勝つなら引き分けということになります。付け加えて言えば、試合に負けて自暴自棄になるとき、敵にも負け、己に負けるわけですから、これが最悪ということになります。

つまり、どのようなときにでも自分の心にうち勝つ心がけさえ忘れなければ、この最悪の事態は避けられます。

ラテン語の格言には、Sibi imperare est imperiorum maximum.(自分を支配することが最大の支配である)という言葉もありますので、あわせて紹介します。

ギリシア・ローマ名言集 (岩波文庫)
柳沼 重剛

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