「インファンドゥム・クンクティー・ベッルム・コントラー・ファータ・デウム・ポスクント」と読みます。
infandumは「忌まわしい」を意味する第1・第2変化形容詞infandus,-a,-umの中性・単数・対格です。bellumにかかります。
cunctiは「すべての」を意味する第1・第2変化形容詞cunctus,-a,-umの男性・複数・主格です。「すべての者たちは」を意味します(形容詞の名詞的用法)。
bellumは「戦争」を意味する第2変化中性名詞、単数・対格です(中性の場合、主格も対格も同じ形)。
contraは「~に反して」を意味する対格支配の前置詞です。
fataは「運命」を意味する第2変化中性名詞fatumの中性・複数・対格です。
deumは「神」を意味する第2変化男性名詞deus,-i の複数・属格です(deorumの別形)。fataにかかります。
poscuntは「求める」を意味する第3変化動詞poscoの直説法・能動態・現在、3人称複数です。主語はcunctiです。
「すべての者たちは神々の運命に反して忌まわしい戦争を求める」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.7.583-584)。
ラティウムの地で戦争が始まろうとしています。トゥルヌス率いるラティーニー人とアエネーアス率いるトロイア人戦いです。その前触れを描く場面での表現です。
アエネーイス
ウェルギリウス Publius Vergilius Maro