ラテン語格言

Cui placet obliviscitur, cui dolet meminit.

2021年2月5日

「クイー・プラケト・オブリーウィースキトゥル・クゥィー・ドレト・メミニト」と読みます。
cuī は関係代名詞、男性・単数・与格です。与格になるのは、非人称動詞 placet の補語(placet は与格を支配)になっているからです。
placet はplaceō,-ēre(好ましい)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。元来「喜ばせる」という意味を持ちますが、ここでは非人称表現となり、「状況がその人を喜ばせる」=「喜ぶ、嬉しく思う」という意味になります。
先行詞(男性・単数・主格)が省略されています。placet とあわせると、「喜ぶ人は」、「嬉しく思う人は」となります。
obliviscitur は、「忘れる」を意味する形式受動態動詞(デポーネント)obliviscor,-scī の直説法・現在、3人称単数です。
前半の訳は、「喜ぶ人は忘れる」となります。
後半の cui の導く動詞 dolet は「悲しむ」の意味を持つ第2変化動詞 doleō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。後半の主語は「悲しむ人は」という意味になります。
後半の述語は meminit (覚えている)ですが、これは完了時制でしか現れない動詞meminī,-isseの直接法・能動態・完了、3人称単数です。
全体をまとめると、「喜ぶ人は忘れ、悲しむ人は覚えている。」という意味になります。
キケローの言葉です(ムーレーナ弁護演説42) 。

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