語彙と文法
「クラース・アメト・クゥィー・ヌンクゥァム・アマーウィト・クゥィークゥェ・アマーウィト・クラース・アメト」と読みます。
crās は「明日」を意味する副詞です。
amet は「愛する」を意味する第1変化動詞 amō,-āre の接続法・能動態・現在、3人称単数で、「愛するのがよい」、「愛すべし」という意味になります(「命令」の用法)。
quī は関係代名詞、男性(または女性)・単数・主格です。先行詞illeは省略されています。「~する者は」と訳せます。
quī は、numquam amāvit とあわせて「けっして愛したことのない者は」という意味になります。
numquam は英語の never と同じ意味です。「けっして~ない」。amāvitを否定します。
amāvit は、第1変化動詞amō,-āre(愛する)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
quīque のquīは関係代名詞、男性(または女性)・単数・主格。-que は「そして」の意味を持ちます。
「愛したことのない者は明日愛するがよい。そして愛したことのある者は明日愛するがよい。」という意味になります。
愛と美の女神ウェヌス(Venus)を称えた詠み人知らずの詩句です。
『ウェヌスの宵宮』(Pervigilium Veneris)と呼ばれる作品の1行目の表現です。
韻律
Trochaic septenarius(trochaicus septēnārius)と呼ばれる韻律です。
Crās amet, quī | numqu(am) amāvit; || quīqu(e) amāvit, | crās amet.
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